静かな部屋に、ただペンを動かす音が聞こえてる。ディーノは今、仕事中。かなり仕事をためてたみたいで(あたしのせいかもしれない)、いつもはきれいに片付けられている机の上にはいろいろな種類の書類が束になっておいてある 普段はかけない眼鏡をかけてるディーノはいつもより数段かっこよく見える。(いや、実際にカッコいいんだけど。)つんと鼻筋の通った鼻と、すっきりとした顎のライン、たまに眼鏡に添えられた長い指(とゆーかディーノ全部?)をふかふかのソファに座りながらあたしは見ていた たまたまあたしのほうを見たディーノと目が合った。「俺に見とれてた?」と喉を少しならしながら、はにかんで、あたしはほんのりと顔が赤くなるのが分かったけど照れ隠しみたいに「あとどれくらいで終わるの?」と聞いた ディーノは「・・あと30分くらいだな」と言った。あたしは「そっか」と呟いて、メイドさんが淹れてくれた紅茶に口をつけた。 また、部屋が静かになった。 あたしは特にこれといってすることもなくて、しばらくは腕を組んでみたり、頬杖ついたり、考え事をしてみたりしたけど、さすがにもうすることがなくなった。よく考えたらあたし昨日寝たの遅かったんだっけ。(学校に提出しなきゃいけないレポートに追われてた)。そうしたらなんだか眠くなってきて、ふかふかのソファが寝て!と言っているような気までしてきた ころん、とソファに横になって目をとじて、少しして、そこからの記憶がない *** 「・・ん・・・」 あたしはゆっくりと目をあけて。息を吸ったりはいたりして酸素を体中にとりこんだ。体を起こすと掛けてあったブランケットがはらりと絨毯の上におちた。周りを見渡しても、そこにディーノの姿はなかった。(どこいったんだろう・・)立ち上がって、ディーノが仕事をしてた机のほうに行く。きれいになっている机は、仕事が終わったことを表していた。 隅においてある眼鏡はケース等に入れてなくて、レンズに窓から差してきた夕日が反射して、ちかっと光る。あたしはその眼鏡をとって、かけてみた。ぴかぴかな窓のほうを見ると眼鏡をかけた自分。(眼鏡、似合わないなあ。あたし眼鏡かけないし・・) そのときカチャリとドアノブを回す音が聞こえて、開いたドアからディーノが入ってきた。 「お、やっと起きたんだな」 「うん、すっきりした。あたし、どれくらい寝てたの?」 「多分2時間くらいは寝てたんじゃないか?」 「え、そんな寝てたんだ」 「久々にの可愛い寝顔見れたし。」 「・・ばか」 「いいだろ、減るもんじゃねえし。あ、それ俺の眼鏡だ」 「あ、うん。なんかかけてみたくなって」 「もっとよくみせて」 あたしの顔をディーノの両手が包み込んで、琥珀色のきれいな目で見つめられる。(ディーノはあたしの心を見透かしちゃいそう)どきどきと心臓が早くなってくる。 「なんかが夕日に包まれてるみたいだな」 眼鏡を外されて、目尻にキスされて、また見つめられた。 「ディーノだって、人のこといえないくらいオレンジ色だよ?」 あたしはちょっと背伸びしてディーノのほっぺにキスをした。背伸びした拍子に思わずふらついてしまったあたしをディーノが支えて、だきしめてくれた 「あたしは、夕日じゃなくて、ディーノに包まれてるんだよ?」 眼鏡 ★ ミラクル (見つめあったあとには、キスの雨を降らそう)110102加筆修正 ジャンプスクエアに載ってたディーノの眼鏡にやられました\(^o^)/ |