あたし以上にばかな人が、ここにいた。ああもう、何やってるんだよ、この人。

「だから、言ったじゃん・・・風邪うつるって、さあ・・」
「わりー。いや、まさか本当に風邪引くとは思ってなかった」


ベッドに入りながらごほごほと咳をして言った私の彼氏は、3日前にあたしが風邪引いて(やっぱ風邪引かなければよかったと心から思った。)お見舞いに来たディーノはあたしにキスをしまくって(思い出すとちょっと恥ずかしいけど)、その翌日から「喉がいてえ・・」とかいいだして、そして今に至ります。
なんてゆーか、ほんとーにばかです。うん、それしか言いようがないくらい。風邪は人にうつすと治るって本当なんですね。


「はい、お粥。作ったから」
「さんきゅー、なあ?」
「なに?」
「あーん、ってしてくれねえの?」
「え、なに、まさか、期待してるの?」
「多少」


「うん、それくらい元気があるならあたし、帰るよ?」
「・・!スイマセンまじで、すいません。帰らないで下さい。」
「もう・・冗談だってば。」

「んだよ・・」


「だって、ディーノからかうの、おもしろいんだもん」と言って、お粥を食べるためにベッドから起き上がったディーノのおでこに手を当てる。(まだ、ちょっと熱いかなあ)食べてる間に氷でも新しくしようと思って、座っていたベッドの端から立ち上がる。

「どこ、行くんだ?」
「氷でも、取り替えてこようかなーと。」
「そんなのメイドにやらせとけばいいだろ。」
「いいよ、だってメイドさんたち、忙しそうだもん」


はさ、俺の隣にいればいいんだよ」



あ、何気に今カッコいいこといった。確かにカッコいいよ。(まあいつもカッコいいけど)(うわ、何言ってんだろ)

「あのね、ディーノ、今きまった!とか思った?それね、確かにカッコいいんだけど、思いっきり鼻水ずるずるの鼻声で言われても、ときめかないよ」


「・・・まじで、俺、かっこわりいな」

なんでこの人はこんな人の言ったことを真に受けるんだろう!そんなんじゃこのご時世ってゆーかマフィアのボスなんてやってられないんじゃない?



「うそだよ、かっこよかった。」





(どんなきみでもあたしは大好きだよ)110102加筆修正
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