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手を繋いだり、抱きしめ合ったりすることが好き。なんだか一番近くに相手の事を感じられる気がするから。 ぎゅってされるたびに嬉しくなって舞い上がっちゃう。
いつの間にか唇にキスが落ちてきて、耳元で名前を呼ばれたりして、私は頬を染めながらもディーノに想いを告げるのが好き。 そうしたらディーノも「俺も好きだよ」って囁くように言って、またキス。とろけるくらい幸せな時間が流れていくの。

「私ね、ディーノの手が好きなの」
「手?」

私は今ディーノの膝の上にいる。なんだかちょっと子どもっぽい?でも後ろから抱きしめられるのも好きだからいいかなあって思ってみたり。
「うん、私とは全然違うもん。大きさとか、質感とか」
「俺もの手は好きだぜ?」
「え、そうなの?」

「小さくて、細くて、真っ白で、それに指輪がすげえ似合う。」

大きな手が私の手を包みこむと手のひらの温度がじんわりと伝わっていく。ディーノは私の薬指にある指輪をなぞりながら言った。
「褒めすぎじゃない?」
「そんなことないだろ、俺の本心」

絡めた指はだんだんと温度を上げていく。ディーノの瞳を見ると吸い込まれそう、それくらいきれいな蜂蜜色の瞳は私を離そうとしなかった
当たり前のように優しく、唇を塞がれて、離れたときには私の頬はいつもみたいにピンク色に染まっていた


「・・ん、なあに?」

「俺の手のひらで掴めるものって限られてるだろ?けどだけは絶対に離さないから。俺の全部での幸せを願うよ」
「・・じゃあ、私がディーノの幸せを願うね?」

繋いだ手は離さないで「そうすれば二人が幸せになれるでしょ?」と言った。


握りあって、願う

(この手は絶対に、絶対に離さないよ)110204*ちさと